大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和34(オ)111 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士毛受信雄、同各務勇の上告理由第一点第四点について。

被上告人らは第一審において、その主張の入会権の内容として係争地に生立する

緑肥用薪炭用建築用等の樹木等一切のものの伐採取得する権利である旨主張し、同

裁判所がこれを否定するや、これに不服を申立て、第二審裁判所においても、従前

通りの入会権を主張したところ、同裁判所は右入会権を秣刈取、薪採取の限度にお

いて是認し、上告人は被上告人らに対しこのような内容の入会権の行使を妨害して

はならない旨判示したものであることは記録に徴し明らかである。してみれば被上

告人らは原審において所論主張のように、新たに反訴を提起したものでもまた民訴

二三二条にいわゆる請求を変更したものでもないことが明瞭であるから、この点に

関する原判決の判断は結局正当である。なお、本件のような場合立木伐採の入会権

と秣、薪炭の採取を内容とす入会権とがそれぞれ別個の慣行源から発する異質のも

のと理解しなければならない筋合があるわけのものではない。従つて所論はひつき

よう原判決の趣旨を正解しないものと云うの外なく、採用のかぎりではない。

同第二点について。

しかし、原判文全体から窺い得るように、原判決は本件係争地が上告人の所有に

帰した過程において一旦官有地に編入されたことはなかつたとの趣旨を認定してい

るのであるから(右認定は此の点に関する判決挙示の証拠関係に照し首肯できない

ことはない)、所論は原審の専権に属する事実認定を非難するか、あるいは原判決

を正解しないで、原判示に副わない事実関係を前提として原判決を攻撃するもので

あつて、採るを得ない。

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同第三点について。

しかし、所論入会権の内容が判示の程度で特定できないものとは断定し難いばか

りでなく、この点に関する原判決挙示の証拠関係に照合すれば所論入会権の内容は

少くとも判示の程度のものと認めるについて全く証拠がないものとも断定し難い。

それ故所論も採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 高 木 常 七

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